e-歯通信「健康」を守る「唾液」
「健康」を守る「唾液」
歯や歯茎をはじめ、体の健康にも深い関わりを持つ唾液についてお話します。
唾液にはサラサラした唾液とネバネバした唾液の2種類があり、サラサラ唾液は主に副交感神経にコントロールされていてリラックスしている時によく分泌されます。食事の時に多く分泌され、食べ物を湿らせて飲み込みやすくするなど消化吸収を助ける役割を担っています。ネバネバ唾液は主に交感神経にコントロールされていて緊張した時などによく働きます。ネバネバ唾液中のムチンという成分が、細菌を絡めとり体内への侵入を防ぐほか、口の中の粘膜を保護したり保湿するなど、「身体を守る」役割を担っています。
唾液の重要な「8つの働き」
- 消化を助ける
- 飲み込みやすくする
- 味覚を助ける
(舌にある味蕾という組織が唾液の中に溶け込んだ食べ物の味成分を知覚 しているため、食べ物が唾液と混ざらなくては味を感じることができません) - 口の中を守る
- 体内への細菌の侵入をブロックする
- 虫歯から歯を守る
- がんの原因となる活性酸素を減少させる
(唾液成分中のペルオキシダーゼという酵素が食物内の発がん性物質が作り出す活性酸素を分解します) - 老化を抑える
(成長因子であるIGF-1が健康の維持や老化防止に役立ちます)
唾液が減ることによる影響
- 口が渇く
- 食べ物が呑み込みにくい、味が良く分からない
- 口臭がする
- 会話がしづらい
- 虫歯や歯周病になりやすい
- 口腔内が痛む、口内炎になりやすい等
たくさん唾液を出すには?
- よく噛む
噛むという刺激が脳に伝わることで分泌されるのでよく噛んで食べることが大切です。
噛みごたえのある食材をメニューに加えたり、ガムを噛むのも効果的です。 - 唾液が出やすくなるマッサージ
唾液腺が有る場所をマッサージすることが効果的です。(指を耳の前に当て、後ろから前へ円を描くようにやさしく回す)
- 舌の運動
舌を動かすことも唾液腺を刺激し、分泌が促されます。舌を前後に出したり、引っ込めたり、できるだけ前に出して左右に動かしたり、舌先で円を描くように大きく回しましょう。
医療法人明貴会
山口歯科医院所属
山口歯科医院所属
歯科衛生士 桑原 翠